茶館の３階に上がると、目の前がぱっと明るくなる。白い床と壁に大きな窓の組み合わせで、開放感のある空間が開ける。そんな空間の中に、家具といえば５つの木製の長いテーブルしかない。

　劉斌さんは３階を「茶空間」と呼ぶ。つまり、お茶に関する活動を行う場所だ。仕切りがなく非常に開放的な空間なので、客のさまざまなニーズによっていかようにも変化させられる。これまで、ここで武夷岩茶（ぶいがんちゃ）愛好者による岩茶試飲会、韓国茶道家·釈自然の茶会、子供向けの茶道教室などが開催された。劉斌さんは元デザイナーとして芸術を愛するので、これからは芸術展示会も開催しようと計画しているそうだ。

３階は客のさまざまなニーズによって変化する開放的な空間

　七宝古鎮を訪れる観光客、お茶の愛好者、中国の茶文化に興味を持つ外国人……。どんな人も１階から３階までの異なる空間の中に楽しみを見つけ出し、ゆっくりとお茶の時間を過ごすことができる。これが劉斌さんの経営理念だ。

　茶館の「賞心院」という名前の出典は、昆劇の代表曲『牡丹亭』の「良辰美景奈何天，賞心楽事誰家院（良い天気良い風景をなんとせん、愛でる心と楽しみはどこにあるやら）」の一句。劉斌さんはすべての客がここで愛でる心と楽しみを探すことができるよう、願っている。

（編集：Ｗ）